片頭痛についての当ブログ的まとめ

今年もはや3月末になって、最初の投稿が残念ながらこんなに遅くなってしまいました。 1つには代表を勤めている会社のブログに注力していることもありますので...と言い訳ですけどね。 さて、会社(ライデック)のブログでこの4月から発売予定の片頭痛の注射予…

新型コロナ雑感(3)_スウェーデンってどうなの?

前回が8月...気付けばもう今年の最終日の23時になってしまいました... なかなか更新できなかったのは会社のほうのブログで色々書いていたりして...というのは言い訳で、もっと自由にこちらには書きたかったなあと思います。コロナ禍過中で「コロナうつ」が増えて…

コロナ雑感(2)_年齢階層別に考えてみると...

新型コロナウイルスについては今日でともう1回で最後にする予定ですが、今日は年齢階層別にデータを見てみたいと思います。 怖がるべきか、安心すべきか 感染者数が東京で連日200人以上が続き、なんだか感覚も麻痺してきた方も多いのではないでしょうか。そして、…

新型コロナ雑感(1)_西浦氏42万人について

また2ヶ月経ってしまいました... 更新しようにもなかなかできないのは、私自身もこのコロナ禍である種の無力感に陥っているのかもしれません...。 前回4/24にアップしてから、1ヶ月以上は自分の会社と、勤めるクリニックで言ってみれば危機管理をしていて、精神科…

色々変わりましたね

2020年1月28日朝日新聞から。武漢から帰国したチャーター機。 久しぶりに更新となります。 前回tDCSのことを書いてから2ヶ月と少し、すっかり世界の景色が変わってしまったことに驚きます。 毎日毎日、新型コロナウイルスのことで情報がほとんどが占められ、さらに…

tDCSの新しい研究を始めました_被検者さん募集中です

気づけば今年最初の記事になってしまいました。 なかなか進まずスミマセン... さて、tDCS,経頭蓋直流電気刺激の記事は何度か書いていますが、新しく研究を開始しましたのでお知らせします。 被検者さん、募集中でもありますので、ご興味あるかたは是非ご連絡くださ…

真田丸に見る秀吉の黄昏と認知症

blogの更新が遅くなりました。 最近は会社の公式blogの方を優先させているこの頃です。来年は今少しこちらも頻度を上げていきたいと思うところ。 ちなみに最近は抗ADHD薬として第一選択薬であるコンサータについて書いていますので、ご興味ある方はご覧いただけ…

最近気になる精神科系ニュース_エーザイ復活劇とアデュカヌマブについて

toyokeizai.netついこの間のこと、エーザイの株価が急騰。 図にあるように5000円台から一時は8000円台まで高くなったという(持っていたかった...)。その理由はリンク先にあるようにエーザイが米製薬会社バイオジェンと組んで開発中の薬、アデュカヌマブをアメリ…

大学入試における発達障害特性に対しての合理的配慮、について考えてみる

うーん、ついに9月は書けなかったなあと反省しきりですが、最近会社のほうで表記タイトルの内容をTweetしたところそれなりに反響があったので、こちらにもう少しdneuroの考えを入れつつ書いてみます。 そう、お題は大学受験における合理的配慮、発達障害特性編です…

片頭痛についてこれまでの記事のまとめ

どうもこの頃は更新が時々、になってしまいました。 年ですかね、やはり体力が無いのかとも思うのですが、最近片頭痛の発作が多いのです。 6-7月のじめっぽさから、急に暑くなって、という気候の変化も関係していそうですが... そんなわけで前に書いた片頭痛につい…

インチュニブの副作用について

前回はインチュニブを含めた薬の作用メカニズムについて書きましたが、今回は最近の論文からインチュニブの長期連用における安全性について。 効果、はあるのであとは副作用とのバランス 最初に効果についてですが、インチュニブに効果があるのは疑いようがあり…

インチュニブが成人に適応拡大_インチュニブの作用について

つい先日ですが、抗ADHD薬の1つ、インチュニブ(一般名:グアンファシン)が成人に適応拡大されました! これはこれまでADHD症状に対して、使えた薬が成人ではコンサータ(一般名:塩酸メチルフェニデート)とストラテラ(一般名:アトモキセチン)の2剤のみだったことを…

高齢者の運転について

先日、大学で授業をしたんです。医学部で新設された科目なんですが、行動科学の授業で、タイトルは「脳の働き方を知って人に優しくなろう」。 コンセプトとしては、人がついパッと考えてしまう中には、実は事実と違っていたり、固定観念や偏ったものの見方(バイアス)を…

アルツハイマーが治る??そんな話には頭に警戒警報が鳴り響いてしまう

ひょんな拍子にアメリカのDr. Bredesenによるアルツハイマー型認知症に対する非常に画期的な予防及び治療法が書かれているという本を見つけました。 アルツハイマー病 真実と終焉 "認知症1150万人"時代の革命的治療プログラム作者:デール・ブレデセン発売日: …

必要なのは少額のお金です_ポスドク・新米教員編

お金についての話を何回かできると嬉しいなと。 昨年dneuroは千葉大学医学部の常勤職を退きました。2007年に奉職しましたので、11年ほどやったことになります。 仕事を始めてからのことを思い返すと…実は教員になってからは頭の中がお金のことでいっぱいになって…

ASDの血液診断、発達障害モデルマウス、妊娠とバルプロ酸とADHD、飛ばしているNewsweek

また更新が遅くなってしまった...最近夜が弱くなって字を書き連ねていくのがやや辛いというか。 その分睡眠時間は前よりも確保していて良いと思うんですが、原稿書くのが仕事の方はどうやって時間を捻出しているんですかね... さて、私が代表やってます発達特性…

気になる発達障害の話題(2)_発達障害グレーゾーン

発達障害グレーゾーン (扶桑社新書)作者: 姫野桂,OMgray事務局出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2018/12/27メディア: 新書この商品を含むブログを見るこの前のエントリでも書きましたが、この本、かなり話題のようですね。 読み始めは、グレーゾーンという言葉に…

気になる発達障害の話題(1)_感覚過敏

今年1回目が遅くなってしまいました。このblogをご覧になっている方には申し訳ないです。風邪を引いていましたが、インフルではありません。 ちなみに風邪を引いて大切なのはやはり休息でしょう。風邪薬は残念ながら本質的ではないので...とはいえ症状緩和にしょ…

tDCSでワーキングメモリ向上&ディスレクシアの改善

発達特性研究所の研究紹介です。 tridc.co.jp この研究は私が学生さんと一緒にやったものです。 tDCS(経頭蓋磁気刺激)法は何度か紹介していますが、それを使って、ワーキングメモリ(作業記憶)を向上させたという。 以前から注目されているワーキングメモリ。 基本…

インパクトファクターってなにさ?

非研究者の同僚から「インパクトファクターって何?」と聞かれたことがあります。終わってしばらく経ってしまったけど、同僚が見たのは二宮和也くんのブラックペアン。www.tbs.co.jpそう、ドラマでは佐伯教授と西崎教授がインパクトファクターを争っていましたね。論…

慢性疼痛、恋愛、眠気とADHD

発達特性研究所の方で論文紹介をしています。今回は3つです。ADHDと慢性疼痛、恋愛、そして眠気の話題。 tridc.co.jp慢性疼痛で学校に通えなくなってしまった6歳女の子です。慢性疼痛は色々検査しても、疼痛の原因がはっきりと同定されず、でも生活にその疼痛が大き…

がん免疫療法について (2) 〜免疫療法への模索

さて、話題のオプジーボはがんに対する免疫療法と言われます。 だけど、正確には、オプジーボそのものが免疫細胞を強化したりするわけじゃなくて、がん細胞が適切な免疫細胞(Tリンパ球)に発見されるお手伝いをしているのですよ。 免疫療法の落とし穴 率直に言って、…

がん免疫療法について (1) 〜祝ノーベル賞! オプジーボの効果

dneuroは精神科医兼神経科学者なので、がん、はほぼあらゆる面において専門外なのですが、気になる記事があったので、ちょっと書いてみたのが今日の話題、今をときめくノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑氏がメカニズムを発見し、応用された結果の薬、オプジーボ…

睡眠時間に関して、心配ばかりしてもしょうがない

さて、睡眠について。精神科医として、患者さんにしっかり寝て欲しい、というか寝ないと治るのも治らないとは毎日言ってはいるものの、実は個人にとって理想的な睡眠時間というのは無いのだろうと思っています。 もっとも長寿なのは8時間睡眠だった、とか、現代人は…

tDCSやスウェーデンにおけるADHDの疫学について

前回書いたように、会社のほうでは情報発信をしています。 読んだ方が面白い、参考になる、今後に期待したくなる、そんな最新研究を、主にADHDをテーマに紹介していており、今後はこちらのblogと補完し合いたい。 会社のHPでは主にADHD関係を紹介し、こちらではこれま…

起業しました

なかなか更新できずにいましたが実は会社を作り、開設の準備をしています。 ようやくホームページも公開できたので、ここでも報告を。tridc.co.jpあれ、No imageになってしまうのはなぜだろう...ともあれ、会社を作りました。株式会社ライデックと言います。ライデッ…

オキシトシンを自閉スペクトラムの「治療薬」ということの難しさ

福井新聞が報じたオキシトシンのASDへの「治療」効果が話題のようです。 www.fukuishimbun.co.jp 曰く、'大規模な臨床試験を行い、国際的な基準で治療効果や安全性を検証したのは世界初' 'オキシトシンを投与したグループで常同行動の軽減が確認できたのに対し、…

精神神経学会参加(2)_アルコール依存症の治療

こちらは一般口演で、埼玉県立精神医療センターの成瀬先生の連続2題の口演を聞いた。 タイトルは、「アルコール依存症治療革命」の提案、と、アルコール依存症「中核群」は本来の中核群ではない〜アルコール依存症中核群に対する新たな治療の提案〜。 精神科…

精神神経学会参加(1)_リキッドバイオプシーとアルツハイマー病

第114回日本精神神経学会学術総会に参加しました。 会場は神戸。国際会議場とポートピアホテルが会場。結構広い。 日本の精神科医の殆どが参加するという...精神科医が一同に集うある意味気色悪い学会です。もちろん中にはコメディカルの方や基礎研究の方々…

突然「障害」と言われて納得できるわけがない

「発達障害」という言葉が嫌い 嫌いだと言っても行政に出す書類を出すために使うこともあるし、実際~の専門という時に一々いやそう言うのは嫌いなので…と伝えるのも面倒なので使うことはあるんですが、「障害」という言葉はどうにも使いづらいのです。 とい…