2018-01-01から1年間の記事一覧

tDCSでワーキングメモリ向上&ディスレクシアの改善

発達特性研究所の研究紹介です。 tridc.co.jp この研究は私が学生さんと一緒にやったものです。 tDCS(経頭蓋磁気刺激)法は何度か紹介していますが、それを使って、ワーキングメモリ(作業記憶)を向上させたという。 以前から注目されているワーキングメモリ。 基本…

インパクトファクターってなにさ?

非研究者の同僚から「インパクトファクターって何?」と聞かれたことがあります。終わってしばらく経ってしまったけど、同僚が見たのは二宮和也くんのブラックペアン。www.tbs.co.jpそう、ドラマでは佐伯教授と西崎教授がインパクトファクターを争っていましたね。論…

慢性疼痛、恋愛、眠気とADHD

発達特性研究所の方で論文紹介をしています。今回は3つです。ADHDと慢性疼痛、恋愛、そして眠気の話題。 tridc.co.jp慢性疼痛で学校に通えなくなってしまった6歳女の子です。慢性疼痛は色々検査しても、疼痛の原因がはっきりと同定されず、でも生活にその疼痛が大き…

がん免疫療法について (2) 〜免疫療法への模索

さて、話題のオプジーボはがんに対する免疫療法と言われます。 だけど、正確には、オプジーボそのものが免疫細胞を強化したりするわけじゃなくて、がん細胞が適切な免疫細胞(Tリンパ球)に発見されるお手伝いをしているのですよ。 免疫療法の落とし穴 率直に言って、…

がん免疫療法について (1) 〜祝ノーベル賞! オプジーボの効果

dneuroは精神科医兼神経科学者なので、がん、はほぼあらゆる面において専門外なのですが、気になる記事があったので、ちょっと書いてみたのが今日の話題、今をときめくノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑氏がメカニズムを発見し、応用された結果の薬、オプジーボ…

睡眠時間に関して、心配ばかりしてもしょうがない

さて、睡眠について。精神科医として、患者さんにしっかり寝て欲しい、というか寝ないと治るのも治らないとは毎日言ってはいるものの、実は個人にとって理想的な睡眠時間というのは無いのだろうと思っています。 もっとも長寿なのは8時間睡眠だった、とか、現代人は…

tDCSやスウェーデンにおけるADHDの疫学について

前回書いたように、会社のほうでは情報発信をしています。 読んだ方が面白い、参考になる、今後に期待したくなる、そんな最新研究を、主にADHDをテーマに紹介していており、今後はこちらのblogと補完し合いたい。 会社のHPでは主にADHD関係を紹介し、こちらではこれま…

起業しました

なかなか更新できずにいましたが実は会社を作り、開設の準備をしています。 ようやくホームページも公開できたので、ここでも報告を。tridc.co.jpあれ、No imageになってしまうのはなぜだろう...ともあれ、会社を作りました。株式会社ライデックと言います。ライデッ…

オキシトシンを自閉スペクトラムの「治療薬」ということの難しさ

福井新聞が報じたオキシトシンのASDへの「治療」効果が話題のようです。 www.fukuishimbun.co.jp 曰く、'大規模な臨床試験を行い、国際的な基準で治療効果や安全性を検証したのは世界初' 'オキシトシンを投与したグループで常同行動の軽減が確認できたのに対し、…

精神神経学会参加(2)_アルコール依存症の治療

こちらは一般口演で、埼玉県立精神医療センターの成瀬先生の連続2題の口演を聞いた。 タイトルは、「アルコール依存症治療革命」の提案、と、アルコール依存症「中核群」は本来の中核群ではない〜アルコール依存症中核群に対する新たな治療の提案〜。 精神科…

精神神経学会参加(1)_リキッドバイオプシーとアルツハイマー病

第114回日本精神神経学会学術総会に参加しました。 会場は神戸。国際会議場とポートピアホテルが会場。結構広い。 日本の精神科医の殆どが参加するという...精神科医が一同に集うある意味気色悪い学会です。もちろん中にはコメディカルの方や基礎研究の方々…

突然「障害」と言われて納得できるわけがない

「発達障害」という言葉が嫌い 嫌いだと言っても行政に出す書類を出すために使うこともあるし、実際~の専門という時に一々いやそう言うのは嫌いなので…と伝えるのも面倒なので使うことはあるんですが、「障害」という言葉はどうにも使いづらいのです。 とい…

医学部を辞めてみた(2)

野心は必要 (かも)さて医学部を辞めて1ヶ月ほど。 これ実際教員になって2年ほどして思ったんですが、野心、というか地位的な野心ね、これが無いと研究ってやりづらいのだなと。 私はもともと、かなり純粋な好奇心派でして、つまり好奇心が研究の原動力であり…

医学部を辞めてみた(1)

dneuroはこれまで房総の某国立大の(1つしかないけど)神経生理学分野教室の講師をしていたが、このほど会社設立のために辞めました。 医学部生活は2007年度から2017年度プラス1ヶ月。 教授の厚意で大変快適な研究&教育生活を送れ、個人的にはパワハラやアカハ…

抗ADHD薬の値段を他の精神科治療薬と比べてみる

ADHDの方に処方する代表的2薬、継続するにはかなり経済的に負担がかかる。 改めてその印象が実際のところどうなのか、薬価サーチにて計算してみた。 結果は下図のとおりだが、やはり3割負担で相当に高い。特に日本イーライリリー社のストラテラ(一般名:アト…

DSM-5 神経発達症群の診断名

発達障害というと一般的には図のように自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠如多動症(AD/HD)、それに学習障害という形で紹介されることが多い一方で、医療系が診断書に書くときに参考にする診断基準はちと違う。 WHOの診断基準はICD-10といい、公的な診断書に使…

発達障害、昔は少なかったの?

発達障害の講演を時に依頼されることがあり、その折に質問に多いのが、「昔は発達障害なんて問題になっていなかったのになんで今はこんなに増えたの?」とか、「発達障害は増えたの?」という類。 以前も書いたように診断数に関しては激増している(⇛ASDは増…

片頭痛に新しい薬が近づいている

片頭痛を抱える患者(dneuro含む)には朗報といって良いか。間もなく新薬が出る。 内容に間違いも多いけど、こんな記事も出た。 tocana.jp 抗CGRP受容体抗体エレヌマブは片頭痛に有望 大塚製薬、片頭痛予防薬「フレマネズマブ(TEV-48125)」の日本国内での開…

脳は大人になっても変わるから学習できるし傷ついても回復する…_tDCS入門(2)

更新の間隔がこれまでで最長になってしまった…色々と考えることがあったので少数の待ってくださっている方にはすみません。 www.neuroelectrics.com 研究室ではスペイン(珍しい!)のベンチャー企業Neuroelectrics社が開発したSTARSTIM tCSという刺激装置を手…

経頭蓋直流電気刺激法(tDCS)入門 (1)

2011年、イギリスの総合科学誌Natureで紹介されたのは、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation: tDCS)という脳を直流電流で刺激する怪しげな機械とその方法だ。 www.natureasia.com 以下、論説の内容を1つ引用(太字、下線はdneuro)。 …