2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

生物学的検査は精神科臨床に役に立つのか (1) 

精神科医はおしなべて身体疾患の医師を羨ましく思う時があるはずである。 それは、身体疾患が客観的指標で診断を付けられるし、治療効果も数値で追えることが大部分であることにほかならない。時々「日本消化器内視鏡学会雑誌」というマニアックな雑誌をパラ…

片頭痛と経済損失と思い出

片頭痛は苦しい病気だ。 頭痛はただでさえ辛い。片頭痛はその頭痛時(発作という)にそれだけでも痛いというのに、吐き気と時に嘔吐に襲われる上、音や光に過敏になり、暗い部屋で悶え苦しむハメになる。 そんなに苦しいのに余り理解はされない。製薬会社エー…

アルツハイマー型認知症でも残る記憶

アルツハイマー型認知症は記憶力を失っていく。 だがどんなことも記憶出来ないのか? アルツハイマー型認知症を発症すると新しい出来事を記憶する力(記銘力という)を障害する。その理由は、主に海馬と呼ばれる組織とその周辺が萎縮するためであり、例えばこ…

薬について

精神科というと、カウンセリングのイメージが強く、薬の処方に違和感を覚える人もいる。何か訴えに対して、薬を出してオシマイと考えているんじゃないかしらと疑念も抱くだろう。 それは当然だと思うし、ましてや薬が多くなることに対して、不安や拒絶感を持…

精神疾患って原因あるの?

精神疾患というのは、多くの人にとってよくわからないもの。 と同時に、医者にとっても実はよくわからない。 わからない、というのは、多くの精神疾患の原因がこれだけ医学・医療の進んだ世の中において判明していないから。 そう、実はほんとに原因がわから…