tDCSの新しい研究を始めました_被検者さん募集中です

気づけば今年最初の記事になってしまいました。
なかなか進まずスミマセン...


f:id:neurophys11:20200205164410p:plain


さて、tDCS,経頭蓋直流電気刺激の記事は何度か書いていますが、新しく研究を開始しましたのでお知らせします。
被検者さん、募集中でもありますので、ご興味あるかたは是非ご連絡ください。


内容について説明しますね。


tDCSは頭皮上から弱い電流をかけて、脳機能に影響を与える刺激です

neurophys11.hatenablog.com


詳しくは以前書いたエントリから把握して欲しいのですが、幾つかある脳刺激法の1つ。
tDCSはその名の通り、頭皮上から弱い(0.5〜2mA程度)直流電気刺激を与えて、その刺激が頭皮直下の大脳皮質神経細胞に影響し、学習や行動の変化をもたらすことを目的に使います。


もちろん、将来的には治療に繋げたいので、その変化は今ある機能を改善させる方向を目指します。
大きくは次の3領域で考えるといいでしょう。


・認知機能を向上させる。
記憶、注意、処理速度、判断力など


・運動機能を向上させる。
麻痺の改善(リハビリ)、筋力増加、より良い運動技能の習得など


・病気の症状を緩和する。
うつ病の諸症状、頭痛、慢性疼痛、めまいなど



何せ装置自体はとても小型で扱いやすく、刺激による危険性は非常に低い(事実上ありませんが、局所に強い電流が流れてしまうと頭皮の火傷に繋がります)こともあり、被検者さんにも検査者にも優しいデバイスではあります。


主に上記3領域を対象に近年は研究成果の報告が相次いでいるのですが、近年特にアメリカでは民生用機械が発売もされており、スポーツ選手が使ったりしているようです。もっとも研究者的にはその効果はそこまで言っていいのか?と疑問に思うところはあります。


japan.cnet.com



今回の研究目的は?

ワーキングメモリを対象にした研究です。
ワーキングメモリとは、何か作業なり課題を為すときに一時的に必要とする記憶能力のことを指します。


例えば、電話番号、言われたとき直後に電話をかけるのであればなんとか覚えておくことが可能でしょう。


そんなふうに、何か用事をする際にちょっとの間だけ頭に留めておいて、必要な時間だけ使ってその後は忘れてしまう、そんな記憶です。


一昨年、私は学生さんと組んで、このワーキングメモリが、左の背外側前頭前野という大脳皮質をtDCSで刺激して向上することを報告しました。ただし、どちらかというと高い能力を既に持っている学生さんが被検者でした。


sway.office.com



今回は、改めて、人数を拡大して行います。そして、どちらかといえばワーキングメモリが弱い方で能力向上がより大きいのでは?と考えています。


将来的にはこれがワーキングメモリに弱さを抱えがちな、ADHDの方や、学習障害を持つ方、うつ状態の方などに応用可能であればと期待しています。


千葉大学医学部で行いますので、ご興味を持った方は是非下記画像を参考に私までご連絡ください。
本当に若干ではありますが、謝礼を差し上げます。


f:id:neurophys11:20200205175206j:plain

真田丸に見る秀吉の黄昏と認知症

blogの更新が遅くなりました。


最近は会社の公式blogの方を優先させているこの頃です。来年は今少しこちらも頻度を上げていきたいと思うところ。


ちなみに最近は抗ADHD薬として第一選択薬であるコンサータについて書いていますので、ご興味ある方はご覧いただければ幸いです。

www.tsudanuma-ridc.com


さて、年末なので業務と関係ない話題を。


はい、私は今三谷幸喜脚本の大河ドラマ真田丸」を息子と観ています。以前NHKオンデマンドで観たので2回目です。


作品は出演俳優のあの人の事件によってNHKオンデマンドでは観られなくなってしまったので*1、DVDで借りています。



そして、改めて見ながらまた泣きそうになってしまいました。

老いた秀吉と、その介護にあたる真田信繁(後の幸村)を描いている第30章「黄昏」です。


この回描かれるのは秀吉晩年。第二次朝鮮出兵の直前。秀吉はその才気と陽気で人たらしの性格で沢山の智謀の配下を得てのし上がり、果ては織田の天下を継いだ言わずしれた戦国の英雄、天下人(てんかびと)です。


しかし、晩年は老いた故か、朝鮮出兵のような後世に禍根を残すことになる施策や、秀吉の子の出自をからかった落書きに対して側近さえついていけない残酷な仕打ちを番の者たちにしたりしてしまっています。


そんな秀吉はますます老いていくのが明らかで、考えているのは息子、お拾(ひろい:豊臣秀頼の幼名)の将来ばかり。


ドラマが描くのは明らかに認知症になった秀吉に付き従い、甲斐甲斐しく世話をする真田信繁の姿。
それはもう切ない姿が描かれるのですよ。
 

ここではキャプチャー映像を見ながら(著作権気になりますがこれはきちんとした引用と解釈して欲しい...)。

f:id:neurophys11:20180913234815j:plain

 
秀吉の側に呼ばれた石田三成片桐且元。秀吉脇には真田信繁が付き従う。老いを悟ったのか秀吉は三成と且元に金子を渡す。脇にいる信繁に気を使う且元は「信繁には?」と秀吉に問うと、秀吉は信繁の顔をしげしげと眺めて「(こんなやつは)知らん!」と(1)。

 

「我々は長い付き合いだから」と三成・且元に信繁は気の毒そうな目で慰められるが、彼らが去った後瞑目し、ショックを隠せない(2)。そりゃそうですよ、これだけ甲斐甲斐しく世話を焼いているのに存在を忘れられてしまったんだから。


そこへいつの間にか近づいていくのが秀吉(3)。なにやら様子がおかしい。ちょっと来い、ちょっと来いと信繁を障子裏に手招きして一緒に隠れて「遅いのう、市松(福島正則の幼名)は」とつぶやく。
 

このシーン、実は信繁が始めて秀吉と直接会った日の再現で、以前はこのまま秀吉について芸者遊びの場に抜け出すのです。老いた秀吉は今その過去に戻っています。そこに気づいた信繁は当時と同じように初めて会ったふりをしながら、「もしや秀吉様では?」と(4)。振り向いた秀吉はここで信繁の心を救う一言を。「わしは利発な若者が大好きなのじゃ。そちも一目見て気に入った!」と。

 
しばし過去の再現に付き合った信繁は優しく秀吉を床に誘導し、休ませる(5)。 

 

この姿が真実であるかは置いといて(いやこの下りのすべてが三谷氏の創作なんでしょうけど)、このシーン、本当に好きなんですよ。

 
かつての姿を失っていく認知症の秀吉、我慢して、時にすごいショックも受けながら介護する信繁の姿、そして過去を生きる秀吉は信繁に会うと、かつてと同じ反応...認知能力は落ちても人格の核の部分は変わっていないところに介護者が救われる場面といえないでしょうか。脚本の三谷氏の優しさを感じます。晩年表面的な人格が変われども秀吉に尽くす信繁に救いを与えてくれたのだと思います。


ちなみに他の場面でも、三谷氏は秀吉配下のそれぞれにとても優しい演出を施していると思います。それぞれの労苦が、彼らの主君である秀吉の一言によって救われるような...。ただし、秀吉本人には些か残酷な死に方を用意していて、それは晩年見られた秀吉の行為への処罰的意味合いがあるのかどうかな、とか思うわけです。
 

ところで、秀吉は恐らくアルツハイマー認知症として描かれていると思うのですが、それにしては易怒的で、人格変化がやや強い点でアルツハイマーではなく、以前本blogで書いた、嗜銀顆粒性認知症なのかも、という気がしたりします。


neurophys11.hatenablog.com


でも嗜銀顆粒性認知症にしては発症が若すぎるかな...嗜銀顆粒性認知症は高齢者発症が特徴的ですが秀吉は62歳没ですからね。
アルツハイマー認知症に加えて、天下人の贅沢な食事が脳血管病変を促進して脳血管性認知症も合併している、それがための情動不安定でもいいのかもしれません。


秀吉の晩年の所業については、独裁者固有の猜疑心などでも説明できそうですが、私としては若かりし頃の秀吉の寛容さとは随分と違う点を考えて、何らかの神経変性疾患を抱えたゆえ、と考えたいのです。これまでの学説などはあるのでしょうかね。影響されるのも嫌なので敢えて調べていませんが、今後はちょいと調べてみようかと思います。



 

真田四代と信繁 (平凡社新書)

真田四代と信繁 (平凡社新書)

 
 

 時代物を読んだり見たりすると気になるのはどこまでが事実なのか演出なのか、そして虚構なのかじゃないですか?

本書はドラマの時代考証を担当した丸島氏による真田信繁論なので、非常に参考になります。

また次のネット記事、丸山氏へのインタビューで、非常に誠実に考証されたのだとわかるのです。リアルタイムでは詳細なツイートしていたとのことで、あぁその時に知っておきたかった。

 
toshin-sekai.com


石田三成 「知の参謀」の実像 (PHP新書)

石田三成 「知の参謀」の実像 (PHP新書)


ところで、真田丸を見て印象が変わった最右翼といえば石田三成じゃなかろうかと。

ドラマではちとかっこよすぎな気もしますが、有能であり、秀吉への忠誠心は本当だったのでしょう。ほんと、惜しいのです、三成さん。もっと天下のことを考えて生き残って欲しかった。もしくは大阪の陣までいてくれれば...それは無理だったかな。蓄財を全くしていなかった真面目さが胸を打ちます。 

 

知られざる名将 真田信之 (だいわ文庫)

知られざる名将 真田信之 (だいわ文庫)

  • 作者:MYST歴史部
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2015/11/12
  • メディア: 文庫

ドラマでは信繁の兄、信之はやや情けない描かれ方をしていますが、この人なくして真田家は幕末まで残らなかったのであり、超名君です。

あの時代に93歳まで生きたのも凄い。晩年まで子どもたちの件で悩んだのは些かお気の毒。

1つ言えるのは、暮らすなら信之殿の下なら安心できそう。

 

峠越え (講談社文庫)

峠越え (講談社文庫)

 
ドラマでは当然家康は信繁の仇敵になります。三谷氏の家康、なかなか気弱な人でユーモラス。特に序盤、信長死去の方に触れた時家康は京都に行く途上であったため、急ぎ国に帰る必要があったのですが、その時の「伊賀越」の描き方は、気弱な家康が随所で覚悟を決めつつ三河に帰り着く様がとりわけ可笑しかったので子どもも大いに笑っていました。


さて、信玄や信長に怯えつつしかし結果的にはそれら重しを除いていける家康の知謀を描いたのがこの小説。フィクションですよ、もちろん。でもこの線で小説の後も読みたいものです。


ちなみに、私は家康が勝ったことが日本のために本当に良かったと感じています。結果として江戸260年という長きに渡る繁栄を享受できたのですから...とはいえ、鎖国政策が科学技術の移入や日本人の科学的思考を妨げたとも思えます。もし秀頼政権(もしくは秀次政権)や、関が原時に九州平定を進めた黒田如水による天下、というのものがあったらもっと開放的だったのかしら、とか考えんでも無いですが。

 

*1:この件に関しては色んな議論があるでしょうね。私としては1出演者の不祥事で、その作品に関わった全てのスタッフの皆さんの仕事が結果的に全否定されてしまう形になるのは悲しく、避けて欲しいと感じます。始めにこういう経緯があったと説明した上で同意した人には見られる形にしていただきたい。

最近気になる精神科系ニュース_エーザイ復活劇とアデュカヌマブについて

toyokeizai.net

ついこの間のこと、エーザイの株価が急騰。
図にあるように5000円台から一時は8000円台まで高くなったという(持っていたかった...)。

f:id:neurophys11:20191117204044p:plain:w300:right

その理由はリンク先にあるようにエーザイが米製薬会社バイオジェンと組んで開発中の薬、アデュカヌマブをアメリFDAに承認申請したということのよう。


アデュカヌマブ、この舌を噛みそうな薬は、以前から多くの大製薬メーカーがこぞって開発していたものの1つ。アルツハイマー病の脳に溜まってくるタンパク質、アミロイドβ42の沈着物(老人斑)に対する抗体で、注射すると老人斑を取り除いてくれます。


以前アルツハイマー病の薬については書きましたが、この手の薬の開発は大きな期待が持たれていたのに悉く失敗しました。



neurophys11.hatenablog.com



エーザイのアデュカヌマブもそのはずだったんですが...下記の記事からは、どうやら再解析するとApoε4というアルツハイマー病のリスクを高める遺伝子変異があることと、高用量でアデュカヌマブを使うとアルツハイマー病進展の抑制が見られたということのようですね。

www.mixonline.jp



素晴らしい!と手を叩きたいところですが、ちょっと注意が必要にも感じました。



2つの臨床試験、軽度のアルツハイマー病患者さんに対してというが...



さて、今回のエーザイが根拠としている臨床試験は2つあります。

簡単にまとめると、こんな感じ。

f:id:neurophys11:20191117224630p:plain:w400

こちらの記事も。

answers.ten-navi.com



気になる点は大きく2つかな。


まず、高用量を途中から、とかApoε4という遺伝子変異がある場合にのみ高用量を投与とか、もともとは違ったのでしょうという中途での方法(プロトコル)の変化ですね。


確かに、Apoε4という遺伝子変異はアルツハイマー病のリスクとして広く知られて(絶対なるとかではない)いますが、その変異持ちに対してだけ高用量というのは十分な根拠と言えるかどうか


別に変異持ち以外にも高用量設定していいんじゃないか、という疑問がまず1つです。


それと、今1つはENGAGE,EMERGEという2つの臨床試験に対して対象とした認知症の基準です。

www.nia.nih.gov
EMERGE: Aducanumab (BIIB037) for Early Alzheimer's Disease


どちらも同じなんですが、気になるのは、対象がMCI(軽度認知機能低下)と軽度アルツハイマー病患者さんたちで、その認知症の程度は、CDR(Clinilal Dementia Rating)という評価のスコアが0.5、MMSE(Mini Mental State Examination)という評価のスコアが24-30点の範囲であることなんですよ。


CDRもMMSEも信頼性のある評価スケールですが、なにせこの基準が甘いというか、認知症?といえるレベルなのかがなんとも... CDRで0.5というのは基本的には非常に軽度な認知機能低下だし、MMSE24点以上は基本的には認知症とまではみなしません。


もちろん、軽度認知機能低下もアルツハイマー病につながるのですが、全員がそうなるわけではなく、まあ凡そ半数。逆に言えば、臨床試験導入された患者さんにはアルツハイマー病に発展し得ないMCIの方もそれなりに混ざっているはずで、それは臨床的に判別不能です。


なので、対象患者の認知症程度が軽すぎる上に全員がアルツハイマー病ではない、というのがどうにも素直にこのニュースを良かったですね、といえない点なのですよ。


うーん、どうなんだろう、なにせ影響力の大きい臨床試験の結果ですし、またとにかくアデュカヌマブの薬価はとにかく高いものになるはずで、もう少ししっかりした、病期の進んだアルツハイマー病の患者さんに果たして効果があるのか知りたいところです。


また、効果があったという記事からは、アルツハイマー病が治る方向に改善と思えてしまいますが、実際には認知症進展の抑制であって、それならこれまでの薬、ドネペジル(アリセプト)という同じくエーザイさんのブロックバスターと変わらないのでは...とも考えてしまいます。


ちなみに、そのドネペジルの臨床試験をまとめた論文を改めて探してみましたが、対象者のMMSEはもっとちゃんと低い(20点以下)んですよね。今回のアデュカヌマブの対象者もそれくらいの認知症であれば、もっと結果を素直に見られるのですが。


ドネペジル臨床試験対象者についての論文(pdf)です
ドネペジル他施設臨床試験の結果論文(pdfです)


アルツハイマー病を発症する人の特徴についてはこちらにもまとめてみた記事がありますのでどうぞ。


neurophys11.hatenablog.com

大学入試における発達障害特性に対しての合理的配慮、について考えてみる

f:id:neurophys11:20191008212436j:plainうーん、ついに9月は書けなかったなあと反省しきりですが、最近会社のほうで表記タイトルの内容をTweetしたところそれなりに反響があったので、こちらにもう少しdneuroの考えを入れつつ書いてみます。


そう、お題は大学受験における合理的配慮、発達障害特性編です。




まあ元々試験の本質ってなんなんだろう、少なくてもそれは「時間」ではないよなあと考えていたんです。

全くの私見ではありますが、試験って、早く終わってもう書くことなくなれば、ケアレスミスを防ぐための見直し時間さえ取れれば後は無駄な時間ですし、覚えてないことはいくら時間を書けても出て来ようがないわけで。もちろん、考えて解ける問題で時間が足りない〜となることもありますが、そういう問題でも、その解く力を見るのに「制限時間」は本質ではないよなあ、特に「素早く書く」ことが本質ではない大部分の問題の中で、素早く書けないがために点数取れないのは試験として適切ではないよねえ、と。


センター試験は配慮してもらえます


そんな中、今年はたまたまですが、患者さんに受験生が多く、センター試験への配慮申請の診断書を求められることが複数回ありました。

そう、発達障害特性に対する入試への配慮に関しては例えばセンター試験で申請すれば受けられる可能性があるのです。


試験時間の延長、別室受験、拡大文字問題、注意事項の文書配布などです。


www.dnc.ac.jp


なので、合理的配慮を求める方は主治医に必ず相談して、OKなら申請のための診断書を書いてもらいましょう。
もちろん絶対にOKとなる保証は無いですが...


センター試験配慮実績を見てみる


大学入試センターのサイトには、幾つかデータがアップされてます。
その中から、H28.29年の配慮決定に関してのデータがありましたので、そこから発達障害の実績を抜き出してみました。


f:id:neurophys11:20191007132032p:plain


これを見ると発達障害者で配慮を受けたのは人数で全体のおよそ1割弱くらい。250人くらいが、複数の配慮を受けて、延べで平成28年に305人が、平成29年に375人が配慮を受けていますね。


多いのか少ないのかこれだけではわからないですが、、別な文献で申請者数を見てみると、どうやら配慮・変更無しは1000人位いるようなので、診断書があるからイコール配慮が受けられる、というわけではなさそうです。


とはいえ、配慮実施の実数に、謎の「その他」カテゴリがあり、そこに1400人も入っているのでどうなんでしょうか。今度電話して聞いてみるかな...。


ご興味あるかたはこちらの論文(pdf)をどうぞ。

ci.nii.ac.jp



アメリカではADHDやLDの特性に対する配慮は当然

ではここでどのような配慮が適切かなんですが、東京大学バリアフリー支援室の桑原氏がシンポジウムで行った発表が参考になります。


発達障害における配慮と公平性 (pdfです)

リンク先見ますと、公開シンポジウム「発達障害と合理的配慮~高等教育における「イコールアクセス」を考える~」で発表されたスライドと、それを受けた東京大学副学長の南風原先生のコメントを読むことが出来ます。


アメリカと日本の対応の差から話は始まるのですが、アメリカではADHDとLDに対しての配慮はかなり当然だと。

試験に関して、例えば試験時間の延長が、受験生にとって公平なのか、という命題がありますね。
要点は、試験が受験生に求める「学術的要件の本質」にスピードとか計算とか果たして入っているのかと。

もちろん条件はあるんですが、こういったサイトを見た限りでは図のような。

www.additudemag.com

f:id:neurophys11:20191007005054p:plain:w300:right


もっとも誰もが良い恩恵を受けられるとは限らず、このサイトに投稿しているADHDの方は画一的な役に立たない配慮を受けたということで残念だったようですが...


ともあれ、アメリカではコンセンサスとして配慮そのものは適切なこと、という認識があるようです。


試験時間と学術的要件


さて試験に戻ります。桑原先生のお話など読むと、要するに(私の解釈ですが)例えば数学で求めるのが、答えそのものの他に「問題によって提起されることに対して自分の思考を組織化して表現すること」(要するに過程です)であったとしたら、問題を解くスピードは学術的要件の本質ではないだろうと。計算も同様で、思考力を見たい問題で計算力そのものは本質ではないはずです。


従って、例えばADHD特性の注意機能が問題解決中に障害となるのであれば、一定時間延長することは合理的配慮だということです。


書字も同様で、もし書くことそのものが学術的要件の本質でなければ、ワープロ使用も合理的配慮になるわけです。


ただし日本語変換とかが大きなヒントになりうるならそこは考えどころですが…



いずれにしても、ADHDやLD特性を抱える受験生は、「早く読み、書く」ことに対してハンデを抱えていることは確かですね。


大学が入試において求める学力の本質が、制限時間内にどれだけを書けるのか、とかでなければ、試験時間の延長や書くこと、計算することへの補助デバイスがあることは公平性の観点から問題は無いと考えて良さそうです。



逆に、うちの大学(学部)は、その先の職業を考えた時に、素早く長文を読む能力、書くスピード、暗算で計算する能力など必須です、となれば、それらが学術的要件の本質になりますから、試験時間の延長は難しいでしょうね。

学部が試験で何を求めるかによって合理的配慮の条件が変わるのは構わないはずです。
それを門戸を閉ざす理由としてやたらと振りかざされたら困りますが。


なお、日本とアメリカでの試験における配慮対処の違いですが、先に書いたようにアメリカではADHDとLDに対してが多いのに対し、実は日本の実績ではASDが多いようです。


なぜなんでしょうねえ??

別室受験が多いことと関係しているかな...。


もういっそPCでね、皆試験しても良いんじゃないですかね、今の時代は。
とも思ってしまいますがまあそれは別な機会に。


いずれにしても、配慮は求められます。必要な方は準備しましょう。


尚、東京大学では合理的配慮を受けられることがHPに記載されています。


「受験生の障がいの程度に応じて、別室受験、試験時間の延長、PC利用の対応」をするとのことで、PC利用も可能なようです。


東京大学という日本の最高学府が率先して配慮を考えるのは素晴らしいこと、と思います。


読めなくても、書けなくても、勉強したい―ディスレクシアのオレなりの読み書き

読めなくても、書けなくても、勉強したい―ディスレクシアのオレなりの読み書き

読字、書字障害を考えた時に思いつくのはこの本です。

この本を読んで思うのは、少年期に先生からほめられること、存在の価値を認められることの重要性、そして、PCを用いて書くことが出来るとどれだけ世界が広がるか、です。

片頭痛についてこれまでの記事のまとめ

どうもこの頃は更新が時々、になってしまいました。
年ですかね、やはり体力が無いのかとも思うのですが、最近片頭痛の発作が多いのです。

f:id:neurophys11:20190807174107j:plain:w200:right


6-7月のじめっぽさから、急に暑くなって、という気候の変化も関係していそうですが...


そんなわけで前に書いた片頭痛についての記事をまとめてみます。


neurophys11.hatenablog.com

片頭痛、というと若い女性の病気、軽い病気、ただの頭痛、という偏見にさらされている部分があります。ところが、実際には若い女性ばかりではないし、頭痛と馬鹿にするには大変大きな経済損失をもたらしているのです。

頭痛、というのは経験ない方には非常にわかってもらいづらいものですね。


neurophys11.hatenablog.com


さて、苦しい片頭痛ですが、発症年齢が若いことも知られていません。


そう、思春期前の発症年齢中央値は、男の子7歳(!)、女の子11歳なんですよ。

そして当事者的に一層困るのは、診断までに時間がかかること。dneuroは7歳発症、19歳診断ですから、診断まで実に12年。

blogで紹介されている研究結果では、20歳未満発症例は診断までに平均9.5年かかっていると。


診断されないと、それまでずっと頭痛に苦しむ上に、「気合でなんとかしろ」とか言われちゃうわけで...早く診断されたいものです。



neurophys11.hatenablog.com


そんな辛い片頭痛の救世主は、トリプタン製剤という薬です。


dneuro個人に関して言えば、この薬が登場するまではどの薬も効果がありませんでした。今からでは想像したくないですが、この薬が出てきたおかげで生活が大きく良い方向に変わったのは確かです。


強調したいことが1つ。


子どもにも使えますよ。


neurophys11.hatenablog.com



辛い片頭痛、予防できればそれに越したことはありませんね。

予防は大きく2つ。

誘因を避けること、と予防薬の利用、です。


多くの方には何かしらの誘因があるものです。dneuroの場合は、太陽光とか、ある種の薬物、密閉空間(に溜まった高い二酸化炭素濃度)とか。

ですから、基本的には避けたい、でも避けてばかりだと日常生活や仕事に影響するので、一定の我慢と努力もします。ジレンマです。


予防薬は、効く人には大変効く印象です。dneuroは残念ながら効果を感じませんが、外来では劇的効果を感じる人もおり、試す価値は高いかと。




neurophys11.hatenablog.com


さて、実は今新しい片頭痛予防薬が発売待ちです。

既に承認済みのはずなんですが、中々出ませんね。

皮下注射薬です。


予防なので、月に1回から3ヶ月に1回程度で使っていきます。


新しい作用機序のもので期待したいのですが、問題は価格。


1年間使うと、医療費が80万以上かかりそうです。保険適用で3割になってもこれは...

うーん、どうなるんでしょう。

でも、選択肢が増えるのはいいことです。
発売する大塚製薬さん、株価上がるかも?



そんなわけで今までに書いた5記事を紹介しました。

片頭痛が収まってきたらまた書きます。


なお、片頭痛は多くは60歳以上で収まります。
うん、それは楽しみに生きたい...



レナードの朝」のサックス先生の本です。
片頭痛の多様さがわかる名著ですが、絶版なのは残念。


片頭痛には、前兆として幻覚様の視覚画像が見えることがあるんですが、個人によってここまで違うかとも。

ちなみに、本書は「偏頭痛」ですが、医学的には「片頭痛」と書きます。


「片頭痛」からの卒業 (講談社現代新書)

「片頭痛」からの卒業 (講談社現代新書)


評判が良い、この手の本ですが、恐らく読む価値はしっかりとあるんだろうと思います。
dneuroも今度読んでみようかと。


ただね、当事者としては、生活習慣を変えずに、収まって欲しいんだよねえ。


医師としては言ってはだめかもしれませんが、誘因に曝されないように生きるのではなく、誘因に曝されても大丈夫な身体を、今の生活を続けながら得たいんですよ。

慢性疾患を抱える身にとってそれはやはり贅沢な望みなんでしょうか...


症例から学ぶ戦略的片頭痛診断・治療

症例から学ぶ戦略的片頭痛診断・治療

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 南山堂
  • 発売日: 2010/12/01
  • メディア: 単行本


医者としてはこの本を。大変参考になります。

インチュニブの副作用について

前回はインチュニブを含めた薬の作用メカニズムについて書きましたが、今回は最近の論文からインチュニブの長期連用における安全性について。


効果、はあるのであとは副作用とのバランス


最初に効果についてですが、

インチュニブに効果があるのは疑いようがありません。
そもそも、臨床試験で効果があることが示されているので発売されているので。

あとは、他の薬剤、すなわち、コンサータストラテラと比べてどうか、という点と、副作用から考えた使い分け、です。


効果から考えた薬の使い分け、はできると良いのですが、実のところそれは難しい。


前回のblogに書いたように、コンサータは主にドパミン系、ストラテラは主にノルアドレナリン系に、そしてインチュニブは選択的にノルアドレナリン系に効く薬剤ですが、残念がらこういうタイプにはこれ、という使い分けができるしっかりした根拠は無いのです。


実際のところ、使い分けに関して臨床医としての感覚的なものはあるんですけどね...
ただ、それは責任を持っては言えないので、ひとまず現段階のガイドラインを中心に考えると、第1選択としては通常はコンサータを選び、副作用や、もしくは併用の観点から第2選択肢として、ストラテラが従来は唯一の薬だったところに、インチュニブが出てきたということになるでしょう。

つまり、基本はコンサータ、第2選択にストラテラもしくはインチュニブ

コンサータストラテラの主要な副作用は、食欲不振です。


この副作用を伝えると、「かえって都合いいです。食べすぎるので〜」と言ってくださる方、結構居るんですが、問題は成長期の服薬が成長を阻害しないかどうかというところ。


なので、特に痩せ型のADHDっ子がコンサータないしはストラテラを服薬するときには食欲の問題は大きい。
後述しますが、インチュニブには食欲不振の副作用はなく、成長阻害が無いため、第3の選択肢ができたことは大きいのです。


今回は、大人への適応拡大なので、その点は子どもに比べると意義は低いですが、それでも他の2剤で痩せちゃう人はいるので、やはり選択できるようになったのは大きいかなと。



インチュニブの主要な副作用を考える


今回参考にするのは、ヨーロッパで行われた第3相試験の結果についての報告論文です。
国内外の臨床試験結果は幾つか手に入りますが、実のところ他の結果と大差は無いので、新しい、という点から採用してます。


プラセボは置いていない、オープンラベルの試験です。つまり、効果のないプラセボ薬との比較や他の薬と比較しての優位性などを見ているものでは無いので、投与する医者も、服薬する側もインチュニブを服薬することがわかっています。*1


www.ncbi.nlm.nih.gov


215人の子どもたち(平均年齢11.7歳)を対象に、2年間、インチュニブ(論文では一般名:グアンファシン)投与を行い、2年間では133人が最後まで服薬しています。ちなみに男子が73.8%。 *2試験の完了は全体の62%ですが、安全性に関してはほぼ全員を対象に解析しています。


多い副作用は眠気

さて、経過中にインチュニブに関連した何らかの副作用を経験した人数は132人、61.7%です。


特に経験する人数が20%以上の大きなメインの副作用は3つ。


眠気(36%)、頭痛(28.5%)、疲労感(20.1%)です。


f:id:neurophys11:20190707103205j:plain:w100:right

眠気、疲労感はやはりどの試験でも多いもので、実際使うと感じる方が多いでしょう。

この眠気、どのくらい続くかというと、どうやら服薬後3-4週の用量調整期間にもっとも多く出てきて、8週間(2ヶ月)ほど経つと落ちついてきて、だんだん少なくなる、という経過のようです。


通常インチュニブは子どもなら体重に応じて1mgから、大人なら2mgから開始します。眠気に応じて用量を調節するものの、初期の眠気は次第に弱くなっていく可能性はあるので、眠気が強過ぎなければすぐにそれを理由にすぐにはやめないほうが良いのでは?と感じます。



成長への影響は無いが、脈拍と血圧は若干下げる


さて、抗ADHD薬の心配の1つである成長阻害がインチュニブに無いことは以下のグラフを見て安心して良いのではと思います。
コンサータと併用することも有りうるので、成長への影響が多少なりとも懸念せれるコンサータと組み合わせたときに、副作用が相加的ではない(重複して積み上がるわけではない)のは安心材料の1つでしょう。


身長(下図a)、体重(同b)、BMI(同c)といずれも大きく変化は無いですね。
身長が右上がりなのは、子どもたちなので時間とともに成長しているわけです。BMIが安定しているので、体重も身長に応じてはちゃんと増えているということでしょう。



f:id:neurophys11:20190707111255j:plain



上図右側は脈拍(d)と血圧(e)で、こちらのほうは若干下がります。
これが深刻な副作用に繋がることはめったに無いと思いますが、仮に問題になっても服薬をやめれば大丈夫そうです。神経質にはならなくて良いと思いますが、注意しておくと良いでしょう。



User reviewは真っ二つ


さてさて、私はよく薬について情報を知りたいという時に、海外のuser reviewも参考にします。
日本にはこういったサイトは無いですが、さすがアメリカというべきか、服薬してどうだったか、というのを服薬した本人や家族がレーティングして載せるサイトがあるのです。


www.drugs.com


これで見ると、インチュニブの評価は、10点満点で平均5.8点。

低い、というのではなくて、8以上の評価と3以下の評価がほとんどです。


両極端に分かれているので、要するに、効く人には実感が強く感じられ、効かない人には効かない、もしくは副作用で服薬が難しい、というのがはっきりしている薬だと言えるのでしょう。


ADHD薬を使う際に心がけたいのは、とにかく、使うことでメリットを感じられること、副作用がある場合はその程度に応じて薬を変えることです。
今回インチュニブが成人に適応拡大されたことで、薬としての選択肢が増えたことは喜びつつ、上手く生活に役立たせられれば、と思うところです。



めんどくさがる自分を動かす技術

めんどくさがる自分を動かす技術

行動を開始するのが難しい、のはADHDの生活困難の1つに挙げられますが、たとえADHDでなくても、やらなくてはいけないことに腰が重いというのはありますよね。

この本には面倒くさがる自分を動かす沢山のやり方が書いてあるので、自分が持っている以外のやり方を参考にするのにとても良い気がします。
私に関して言えば、「集中したいなら手が届くところに"誘惑するモノ"を置かない」というやり方が効果的かなと。子どもに何かをやらせたいときにも有効ですよ。


世にも危険な医療の世界史

世にも危険な医療の世界史

こちらは単に最近読んで面白かった本です。
今でこそ、標準医療は、完全ではないとはいえ、エビデンスを大事にし、結果によって根拠を持って治療を考えることができますが、昔はどうしてこんなことがされてたの?と思う医療が沢山あります。

とりわけ罪深かったのは瀉血ではないかと思いますね。


とにかく具合が悪ければ、血を抜く。血を抜いて具合が悪くなれば、効果がないと更に血を抜く。そんな瀉血が医師によって盛んに行われていた時代があったのですよ。欧米ですけどね。モーツアルトも、死ぬ1週間前に2リットルもの血液を治療として抜かれたそうです。2リットルは大人の循環血液量の40%。彼がそもそも具合を悪くしたのがなぜかはわかりませんが、弱ったところに2リットルの瀉血は、それ自体致命的ダメージを与えたことが想像に難くないというか。モーツアルトは毒殺されたなんてことが言われてますが、医師の瀉血による殺人というのが正しいんじゃないですかね...死んだのは意図したことではないわけですが。


エビデンスを考慮しない時代、人は専門職を含めて、どんな突拍子もないことも健康に良いと信じられる性質を持つのだ、とわかります。

*1:プラセボ薬を置かない理由ですが、インチュニブはすでに効果そのものはあることがわかっていますし、2年間の追跡研究で効果の無い薬を対照群に置くのは倫理的とも言えません。

*2:男子割合は教科書通り多いですね。でも私の外来だと、実は30-40代になるとADHDは圧倒的に女性が多いんですよね〜。子どもの女性ADHDさんはかなり見逃されてるのではないかと疑います。

インチュニブが成人に適応拡大_インチュニブの作用について

つい先日ですが、抗ADHD薬の1つ、インチュニブ(一般名:グアンファシン)が成人に適応拡大されました!


これはこれまでADHD症状に対して、使えた薬が成人ではコンサータ(一般名:塩酸メチルフェニデート)とストラテラ(一般名:アトモキセチン)の2剤のみだったことを考えるととても喜ばしいことです。薬の選択肢が増えました。今までは18歳未満にしか適応が無かったんですよね。



インチュニブは何が違う?


ここでちょっと薬の働き方を考えてみましょう。


専門的な解説は成書に譲りたいところですが、現在日本で使える3剤を大雑把に分けると、ドパミン系優位に効くか、ノルアドレナリン優位に効くかというように分けられます。ここでは、脳の中でも前頭葉に対する薬の働きに着目してみます。


f:id:neurophys11:20190621095618j:plain

図にあるように、脳の前の方にある前頭葉、ここは言ってみれば脳全体の指揮者のような存在で、私達が「自分」であるためにとても重要な脳領域です。機能としては、神経活動を一方向に向かわせてしっかり働かせる注意機能現在必要な情報を保持して今の状況に対処する作業記憶気持ちの波を制御して落ち着つかせる情動制御、などが挙げられます。



そう、ADHDはこういった前頭葉の機能に弱い部分があるから、不注意であったり、衝動性が高かったりする、と理解されています。



そして、図の右側にあるように、脳を構成する神経細胞は、その接続部(シナプス)で神経伝達物質という化学物質をやりとりしてお互いに連絡しています。色んな種類の神経伝達物質がある中で、抗ADHD薬のターゲットとなるのがノルアドレナリンドパミンというわけです。


ノルアドレナリン濃度調整をするのがインチュニブとストラテラ


で、前頭葉ノルアドレナリン濃度を調整するのが今回成人適応になったインチュニブと、これまでも使えたストラテラになります。


ノルアドレナリンはその濃度が適正範囲にあると、前頭葉神経細胞に、しっかり働けよ、こう働くんだぞ、という司令がしっかりと伝わるのに役立ち、要するにノルアドレナリン前頭葉の機能強化をするのが役割です。


ドパミン濃度調整をするのがコンサータ



一方、ドパミン濃度調整に強く働くのがコンサータです(ノルアドレナリンの調整も担います)。


ドパミンは、前頭葉では、神経細胞が刺激に的確に反応するよう、ノイズになりうる余計な刺激が今やっていることに邪魔しないように神経活動を調整します。それによって、前頭葉神経細胞はしっかりと持ちうる能力を発揮できるというイメージでしょうか。言ってみればドパミン神経細胞のチューニングを担うのです。


f:id:neurophys11:20190621100153p:plain


さて、そんなわけで、インチュニブは、ストラテラと同じく前頭葉ノルアドレナリン濃度を調整してくれる薬剤というわけです。



では、ストラテラと同じなのか、というとインチュニブは神経細胞ノルアドレナリン受容体(α2A受容体)に最も強く選択的に働く薬であり、それだけ高い効果も狙えるわけです。



次回,インチュニブの用量や、副作用などについて。




昭和大の岩波先生。


しっかりADHDを知りたいという方には勧めています。

大人のADHDを扱った書籍でインチュニブについて出てくるのはまだ先でしょうね。


マンガでわかる 大人のADHDコントロールガイド

マンガでわかる 大人のADHDコントロールガイド

ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本

ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本


自分のADHD気質を理解しながら職場での適応を高めていくことを考えたときにはこんな本たちが良いのではないでしょうか。
ただ、對馬さんの本は、中身はとっても良いのですが、ボリューム感があって、読み進めるのには努力がいるかも。当事者同士で抄読会とかやると一番いいかもと思ったりします。
(ちなみに、對馬は「ツシマ」と読むようです。難しい...)