片頭痛についてこれまでの記事のまとめ
どうもこの頃は更新が時々、になってしまいました。
年ですかね、やはり体力が無いのかとも思うのですが、最近片頭痛の発作が多いのです。
6-7月のじめっぽさから、急に暑くなって、という気候の変化も関係していそうですが...
そんなわけで前に書いた片頭痛についての記事をまとめてみます。
片頭痛、というと若い女性の病気、軽い病気、ただの頭痛、という偏見にさらされている部分があります。ところが、実際には若い女性ばかりではないし、頭痛と馬鹿にするには大変大きな経済損失をもたらしているのです。
頭痛、というのは経験ない方には非常にわかってもらいづらいものですね。
さて、苦しい片頭痛ですが、発症年齢が若いことも知られていません。
そう、思春期前の発症年齢中央値は、男の子7歳(!)、女の子11歳なんですよ。
そして当事者的に一層困るのは、診断までに時間がかかること。dneuroは7歳発症、19歳診断ですから、診断まで実に12年。
blogで紹介されている研究結果では、20歳未満発症例は診断までに平均9.5年かかっていると。
診断されないと、それまでずっと頭痛に苦しむ上に、「気合でなんとかしろ」とか言われちゃうわけで...早く診断されたいものです。
そんな辛い片頭痛の救世主は、トリプタン製剤という薬です。
dneuro個人に関して言えば、この薬が登場するまではどの薬も効果がありませんでした。今からでは想像したくないですが、この薬が出てきたおかげで生活が大きく良い方向に変わったのは確かです。
強調したいことが1つ。
子どもにも使えますよ。
辛い片頭痛、予防できればそれに越したことはありませんね。
予防は大きく2つ。
誘因を避けること、と予防薬の利用、です。
多くの方には何かしらの誘因があるものです。dneuroの場合は、太陽光とか、ある種の薬物、密閉空間(に溜まった高い二酸化炭素濃度)とか。
ですから、基本的には避けたい、でも避けてばかりだと日常生活や仕事に影響するので、一定の我慢と努力もします。ジレンマです。
予防薬は、効く人には大変効く印象です。dneuroは残念ながら効果を感じませんが、外来では劇的効果を感じる人もおり、試す価値は高いかと。
さて、実は今新しい片頭痛予防薬が発売待ちです。
既に承認済みのはずなんですが、中々出ませんね。
皮下注射薬です。
予防なので、月に1回から3ヶ月に1回程度で使っていきます。
新しい作用機序のもので期待したいのですが、問題は価格。
1年間使うと、医療費が80万以上かかりそうです。保険適用で3割になってもこれは...
うーん、どうなるんでしょう。
でも、選択肢が増えるのはいいことです。
発売する大塚製薬さん、株価上がるかも?
そんなわけで今までに書いた5記事を紹介しました。
片頭痛が収まってきたらまた書きます。
なお、片頭痛は多くは60歳以上で収まります。
うん、それは楽しみに生きたい...
「レナードの朝」のサックス先生の本です。
片頭痛の多様さがわかる名著ですが、絶版なのは残念。
片頭痛には、前兆として幻覚様の視覚画像が見えることがあるんですが、個人によってここまで違うかとも。
ちなみに、本書は「偏頭痛」ですが、医学的には「片頭痛」と書きます。
評判が良い、この手の本ですが、恐らく読む価値はしっかりとあるんだろうと思います。
dneuroも今度読んでみようかと。
ただね、当事者としては、生活習慣を変えずに、収まって欲しいんだよねえ。
医師としては言ってはだめかもしれませんが、誘因に曝されないように生きるのではなく、誘因に曝されても大丈夫な身体を、今の生活を続けながら得たいんですよ。
慢性疾患を抱える身にとってそれはやはり贅沢な望みなんでしょうか...
医者としてはこの本を。大変参考になります。