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辛さは知ってほしいが負けるわけにもいかない(1)

化学物質過敏症(http://bit.ly/20zH61g)について何回かに分けて書きたいと思う。Chemical Sensitivity (CS)とか、多種化学物質過敏状態(Multiple Chemical Sensitivity :MCS)と略される。このblog書いているdneuro自身もMCS持ちなので(涙)、私の体験も交えつつ。


元々私は化学物質には弱かった。

例えば、ホルマリン(http://ja.wikipedia.org/wiki/ホルマリン)。ホルマリンはホルムアルデヒドの水溶液。


大体医学部というのは2−3年生くらいに、解剖学実習がある。
その実習に使われるご遺体はホルマリンを用いて保存処理がなされているのだが、何せ実習中は辛かった(昔は高濃度だったが今は環境基準値以下に抑えているらしい)。とりわけ、脳標本を中心に見る中枢解剖の授業では、標本のホルマリン濃度が高いようで、毎日頭痛との戦い。


ホルマリンに接した時の私は、頭全体にベールが掛かって何やら窮屈な中に包まれたような感覚(⇛わけわからないと言われる…)とともに、頭痛と、嘔気、身体のだるさに抗えない存在と化す。大体暴露されてから10分ほどでそのようになる前兆が出始め、曝露量にも依るが、3時間くらいは続く。


仕事時間中にたまたまホルマリンに接したりする(注:医学部である)とまさに悲惨。
自室でくた~っと使いものにならない状態で半日が過ぎてしまう。
同じように接した院生に聞いても、「ちょっと変な感じがしましたけど、大丈夫ですねえ」と。


まぁ私はアルコールにも激烈に弱いので、アルデヒド代謝が他の人に比べて圧倒的に遅いのだろう*1


さてさて、化学物質過敏であるが、すごく大雑把に実感を交えて言うと、
 発症者以外には何の自覚症状ももたらさないような極微量(極低濃度)の化学物質への暴露が一連の特徴的な症状が惹起する病的状態
といったところだ。


症状は厚労省パンフレットから、これである。

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どうだろう。主症状見て欲しいのだが、正直他の疾患、特にウイルス感染症などでも似たような症状を呈する。なので、実を言うと化学物質過敏症の症状というのは非特異的という、診断する側にとっては厄介な特徴がある。
なので、こういった症状が呈されるのと同時に、症状発現の時間軸的に化学物質暴露が明らかであるといった状況証拠が重要である。どのように診断されるかをまた次に考えよう。

*1:これに関しては今度実験をする予定。ホルムアルデヒドが一定濃度充満している個室に、化学物質過敏者でない者と私とが入り、入室後の血中ホルムアルデヒド濃度を追っていく…というのを考えている。ただ、実はホルムアルデヒドは人体内で急速な代謝を受けるため検出されない、と資料にはあるのでやり方考えないといけないか…。我々の測定器具が武器足りうることを祈る。  日本科学物質安全・情報センターによる資料   http://jetoc.or.jp/safe/doc/J50-00-0.pdf 尚、全世界では75,000〜90,000トンのホルムアルデヒドが放出されるらしい。洗剤などにも含まれており、洗濯するたびに我々は環境をホルムアルデヒドで汚染しているのである。