認知症

認知症の治療 捉え方を変えてみよう

先ごろ「認知症の治療」というお題で講演依頼を受けた。・いわゆる4大認知症(アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、そして血管性認知症) ・現在市場に出ているアリセプト(塩酸ドネペジル)を主体とした認知症治療薬 ・治る認知症を…

嗜銀顆粒性認知症で説明つくのかな

認知症の種類を問うと4大認知症と答える方が多い。アルツハイマー病(型認知症)、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、そして前頭側頭型認知症。 しかし、臨床をやっているとどうにも当てはまらない人が出て来る。dneuroは外来のみだがそれでもこの10年、ほ…

認知症にならないってできるのか、とかキツネのはなしとか

アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)の臨床をやっていると、何が進行速度の決め手になるのか?という疑問を持つ。画像上は萎縮像が確かに診断の参考にはなるし、ある程度は萎縮の程度が認知症の状態と相関関係にあるのはわかる。 ただ、萎縮が目立つと…

正常圧水頭症の予後を考える

正常圧水頭症といえば「治る」認知症として紹介されることが多い。 正確には特発性正常圧水頭症。特発性というのは、特別な原因がない、という意味で、なぜ水頭症になったのかはわからないということ。水頭症は、脳神経が浸っている脳脊髄液が、適切に排出さ…

開発中のアルツハイマー病治療薬はどうなった?

つい先日ヤフーでこんな記事があったので、気になったことなどを。news.yahoo.co.jp 記事内容は概ね頷ける。確かにアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)の治療薬は失敗続き。特にアルツハイマー病の原因は、加齢とともに、アミロイドβ42というタンパク…

綾野さんと認知症の記憶について

綾野さんは手強かった 綾野さんはアルツハイマー型認知症。大正生まれ。 dneuroは老人ホームの嘱託医なのだが、入居した方にはまずは何か精神・神経的な問題を抱えていないかを診察する。 綾野さんの診察時、看護師からの依頼があった。 「とにかく頑固で、…

アルツハイマー型認知症と鑑別が難しいレビー小体型認知症

レビー小体型認知症はこの数年急に市民権を獲得してきた。 dneuroが医学部の頃、すなわち1990年代後半はこういった認知症が提唱されつつある、というまだ良くわかっていない認知症として習った覚えがあるが、現在では頻度の高い認知症として認知されている。…

認知症でトイレを失敗する理由

認知症の方の外来をしていると、トイレを失敗してしまうのはなぜ?という疑問を聞かれることがある。 認知症のタイプにもよるのだろうけど、ここではアルツハイマー型認知症で考えてみたい。 アルツハイマー型認知症というと、「おじいちゃんボケてきたかし…

前頭側頭型認知症を考える(1)

いざ認知症か、というときに本人にとっても家族にとってもかなりな大変さを覚悟しなければいけない認知症の1つが前頭側頭型認知症*1(Fronto-Temporal Dementia: FTD)だろう。 客観情報としての検査で正常と異常の別がすぐにわかるのか?というと… ここにいわ…

糖尿病とアルツハイマー型認知症

糖尿病はアルツハイマー型認知症への大変強力なリスク因子になり得そうだというのは知っておいて良い。参考にするのは北九州は福岡県久山町の住民を対象にした大規模疫学調査、久山町研究*1。 アルツハイマー病と耐糖能異常:久山町認知症研究 これはそこから…

幼児期健忘ってなんだ?

認知症になっても古い記憶は保たれているという。だから、認知症の介護において、自分の歴史の中の古い部分を引き出すことは、良い介護にも繋がる。自分が知っていることを相手に伝える、ということは自尊心を保つのに役に立つ*1。では一体どのくらい古い記…

アルツハイマー型認知症でも残る記憶

アルツハイマー型認知症は記憶力を失っていく。 だがどんなことも記憶出来ないのか? アルツハイマー型認知症を発症すると新しい出来事を記憶する力(記銘力という)を障害する。その理由は、主に海馬と呼ばれる組織とその周辺が萎縮するためであり、例えばこ…